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ふるさとは半分ダムになった きみの家はその半分には入っていない さいわいというべきだろう ダムの前の河川敷に温泉ができた 廣瀬温泉と名づけられている 元そこは廣瀬部落といい山から 流れる水澤には蟹どちが棲んでいた その部落の名に因んで廣瀬温泉という それに手打ちそばの食処ができ 仰々しくテレビで宣伝していた もうきみたちの村ではない 市という他人の手に買われてしまった なにもかも木の葉一枚ですら 茂庭村の時の葉っぱではない 廣瀬の名もまた拉致同然のものだ 急速にそば畑が開拓されたのだろう たとえば牧場の失敗した土地や 猿に食われて失敗した果樹園などに 種を蒔いて上から半ば耕せばいい おふくろはそば打ちの名人だった テレビで放映される人物は もはやきみの知っている顔ではない さぞ美味しいそばだろうと思うと どうしても行ってみたくなるのに ハタときみを行かせぬ分身がいる 分身はこう云ってきみを咎める ふるさとに偉くなって錦を飾って 来るはずのきみがどうして行かれよう きみの放蕩三昧は村では有名だったぜ 山にまで思い出されて嘲笑いされるぜ そんなきみにのなんと醜いことよ 自分でも心の鏡で見るにしのびない あの高等科二年まではよかった 風邪をひいて真綿を首に巻き温めて 学校へ行った頃のなんと幸せだったか その頃のきみをふるさとは呼んでいる ながちゃん!元気を出してきてみなよ 今のふるさとはきみの大いなる後悔を 盛大に賞讃して大歓迎しよう さすがと天下のきみを村の誇りとして 心象景に生きる日々の無気力 こんな記述に元気を復帰 |
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